目次
- あらすじ
- 自分の小さな箱から脱出する方法の「目次」
- アービンジャーの成り立ち
- 内容のポイント
- 感想
人間関係のパターンを変えれば、うまくいく!
今回は、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(大和書房)という本をお勧めします。
14年前の2006年発売のだいぶ昔の本ですが、気がつかなかったことに気がつきました!!!
●Amazonでの作品紹介。
goo.gl/Mrgq7S
あらすじ
物語は主人公のトム新しい会社に転職したところから、はじまります。
主人公はもともと、仕事でかなり成功を収めており、転職前の会社でも高いポジションを得ていました。
しかし、転職先の副社長から「君には問題がある」と言われるところから物語がはじまります。
この転職先で行われている研修が、小さな箱から脱出する方法であり、人間関係を改善し、会社の収益を上げる方法でした。
主人公はその研修を受けながら、自分の人間関係を見直し、会社にとって大切なのは働く人間とその人間関係で、人が「箱の中」にいる状態から「箱の外」へ出て、その状態をどう継続させるか?実際にどうやったら改善できるか主人公トムのこれまでの人生から考えさせ、学んでいくといったストーリーです。
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内容はストーリー形式で読みやすいものの、小説のようにページが次々に進むことはなく、この本から何か学んで成長したいと思わなければ、読むのが苦痛になるかもしれません。
この本では、箱の中に入っている状態を
・自分に嘘をつき自分を裏切っている状態
・他人を尊重せず、物としてみている状態
・自分のことしか考えていない状態
と定義しています。
箱の中に閉じこもっていると、他人や現実を見る目がゆがんで、周りを正しく見ることができなくなり、全てを責任転嫁し、結果として人間関係のゴタゴタが生じるようになる。
困ったことに箱の中に入っている人は他人や周りの人も箱の中に引き込み、ウイルスが蔓延するように組織にも負の連鎖が生じ、会社であれば業績にも影響するようになる。そこで、
・目の前にいる人を自分とは違う独立した人間としてとらえる
・相手を尊重し自分と同様に希望や心配事を持った一人の人間として見る
この2つを実行することで、箱の外に出ることができるとしている。つまり相手の役職や年齢等に関係なく、相手の立場に立って尊重することから個々の良好な人間関係が築かれ、組織も強固になるということ。
どうして人間関係が悪化してしまうのかを、実例を用いて説明してくれるので、かなりイメージしやすいです。
しかも、自分にも似たような経験があって、「あぁ、確かにそうやって考えて、人間関係悪化したことあるわ」って思うところが多々ありました。
自分の小さな箱から脱出する方法の「目次」
1章 君には問題がある
2章 自分だけがきづいていないこと
3章 何も見えない状態に陥るとき
4章 さまざまな問題のもとになっている一つの問題
5章 効果的なリーダーシップを支えるもの
6章 自己欺瞞に冒されている人ほど問題が見えない
7章 目の前の相手は「人」か、「物」か
8章 うまくいかないのは自分だけが悪いのか?
9章 箱に入っているのは、あなた一人じゃない
10章 箱の中に押し戻されてしまうとき
11章 あなたを箱の中に追い込む「自分への裏切り」
12章 ほんとうに相手が悪いのか? 自分を正当化できるのか?
13章 他の人たちが何を必要としているか
14章 なぜ自分ばかりが責められるのか
15章 自分の気持ちはどこに向いているか
16章 箱の問題は、なぜ解決しなければならないか
17章 「素直な自分」を引き出す
18章 「どうすれば箱の中から出られるか」
19章 人として相手と接する
20章 箱の中にいるときにしても無駄なこと
21章 自分が楽な人間関係を選択する
22章 何のために努力するのか
23章 本気にならなければ人はついてこない
24章 二度目のチャンスは用意されている
アービンジャーの成り立ち
1970年代、テリーワーナー博士率いる研究者チームは人間科学分野における非常にコアな問題を研究対象としていました。それは、Self-Deception(自己欺瞞)と呼ばれるものです。そして、この研究によって、どうして我々は自分では気づかないうちに問題を引き起こし、周囲の人々から抵抗をうけるのか、その本質を明らかにしました。それは、人間のモチベーションを理解するうえで、とても革新的な発見でした。行動に対して、強力にそして長く影響を与えるマインドセットに注目したのです。
アービンジャー(Arbinger)は1979年に設立されました。それ以来、多数の個人や組織の意識改革や生産性向上の問題に取り組んできました。
当初は、口コミによる評判が広まるのみでしたが、アービンジャーの最初の著書「Leadership & Self Deception(邦訳:自分の小さな『箱』から脱出する方法)」を2000年に発売するとともに、その知名度は世界的なものになりました。30以上の言語に翻訳され、今では150万部を超すベストセラーになりました。
さらに、2006年発売の2冊目の書籍「The Anatomy of Peace(邦訳:2日で人生が変わる『箱』の法則)」も14言語に翻訳され、50万部を超える売上を残しています。
日本においても、2006年に「自分の小さな『箱』から脱出する方法」が発売されベストセラーになっています。2007年に、「2日で人生が変わる『箱』の法則」、2008年に、「実践 自分の小さな『箱』から脱出する方法」、2014年には「日常の小さなイライラから解放される『箱』の法則」が発売され、累計25万部を超す販売を記録しています。
2016年にはアメリカで「The Outward Mindset」が発売されており、2017年春にも日本で同著の発売が予定されています。
現在では、アービンジャーは企業風土改革、対立解決、マインドセットの変革などの分野で第一人者となっています。
内容のポイント
〇箱というのは自己欺瞞
〇自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、自分への裏切りと呼ぶ
〇いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる
〇周りの世界を、自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目がゆがめられる
〇したがって、人は自分の感情に背いた時に箱に入る
〇時が経つにつれ、いくつかの箱を自分の性格とみなすようになり、それを持ち歩くようになる
〇自分が箱の中にいることによって、他の人たちとも箱の中に入れてしまう
〇箱の中にいると、互いに相手を手ひどく扱い、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与えあう
箱に入ってしまう引き金は「自分への裏切り」で
自分への裏切りをしてしまうと上記のような流れで人間関係が悪くなる
感想
最初は字も細かくてP268もあり、難しそうな本だな。という印象でした。
監修者のまえがきで、 “本書は自分をとりまいて起こるトラブルの原因を見直し、人間関係に関する多くの問題を一挙に解決できる力を秘めています”いうことでこの本では人間関係に関する本だということを理解して読み進めました。
人間関係というのは私たち人間しか体験することのできない社会や集団や組織の場あるいは個人的な場における感情的面も含めた、人と人の関係です。
この本では会社の中でと、家族についてクローズアップしています。
ですので、私はどちらかというと家族のことを考えて、そして我が家の家族に置き換えて読んでみました。
子どもが宿題をやらない、時間割をそろえない、歯磨きをしに洗面所まで来ない、かたづけをしない、ご飯をぐずぐず食べる、そういった日常にいつもピリピリしています。
優しいお母さんに自分はなりたいのに、全くなれていません。これは誰のせいなのでしょうか?
子どもが悪い子なのでしょうか?
母親の私が悪いのでしょうか?
しつけがいけないのでしょうか?
こういったことにいつも疑問を持っていました。
この本を読んで学んだことは
※方法はひとつではないということ
※相手のことを思って行動すること
です。もっと学ぶことはあると思いますがそんなにたくさんいっぺんに学べなさそうなので
今回はこの2つにしぼりました。
そしてこの本を読んで行動できたことがあります。
それは息子に対して宿題をやりなさい!と言うだけではなく一緒に宿題をやりました。
今までは、夕飯の支度があるからできないとか、自分で出来る力をつけてもらいたいだとか言い訳を考えていました。今までも一緒にやった方がいいな。というのは頭ではわかっていました。
ですが、今回行動できたのが嬉しかったです。
行動させてくれたこの本に感謝しています。
本というのはそのときの自分の気持ちや、興味があることによって選ぶと思います。
問題を解決したいときや知りたいとき、その人その人のタイミングもあると思います。
その問題にぶつかっと時に読んで解結出来る本と巡り合えるのは幸せだと思います。
数年前に読んで意味が全く分からなかったけど、今読んでやっとわかったというように
本とも出会いだと思っています。
私も今回、悩んでいたこと(子育てはこれでいいのか?とか)あったので
どうして?なんで?と、どんどん読み進めることができました。
難しくて読めないかもと思っていましたが意外にも一気に読み終わっていました。
今回のこちらの本は知らない部分の自分自身を気づかせてくれる本だと思います。
みなさんも読んでこういうことだったのか!と改めて気づくことが多いと思います。
是非とも読んで、気づいて、行動して、みてください。